事件の経緯
札幌市の繁華街・ススキノにあった飲食店で、無許可で女性従業員に客の接待をさせ、18歳未満の少女にも接待をさせていたとして、北海道警札幌中央署は2026年10月22日、指定暴力団六代目山口組傘下「五代目誠友会」の幹部、関谷政美容疑者(59)を風営法違反の疑いで逮捕した。STVニュース北海道とHBCニュース北海道が同日報じた。
両局の報道によると、事件の概要は次のとおり。
| 項目 | 報じられた内容 |
|---|---|
| 逮捕日 | 2026年10月22日 |
| 捜査機関 | 札幌中央警察署 |
| 容疑者 | 五代目誠友会幹部・関谷政美容疑者(59) |
| 容疑 | 風営法違反(無許可営業、18歳未満の者への接待) |
| 場所 | 札幌市中央区南6条西4丁目の飲食店(HBCは「パブ」と報道) |
| 容疑の日時 | 2024年8月30日(STV報道) |
| 先行逮捕 | 店を運営していた組員らを2026年1月に逮捕 |
なお、HBCの記事は見出しで年齢を「58歳」、本文で「59歳」と記載しており、STVは59歳と報じている。本記事では両局の本文に共通する59歳とした。
逮捕容疑の内容
STVの報道によると、関谷容疑者は共犯者らと共謀し、2024年8月30日、札幌市中央区南6条西4丁目の飲食店で、風俗営業の許可を受けずに女性従業員に男性客の接待をさせた疑いが持たれている。さらに、18歳未満の女性従業員にも客を接待させたなどの疑いもある。
HBCは、関谷容疑者が組員らと共謀して無許可でパブを経営し、18歳未満の少女に客の接待をさせた疑いと伝えている。少女の具体的な年齢や人数、店の名称は、いずれの報道でも明らかにされていない。
通報から発覚、組員の先行逮捕を経て幹部へ
STVによると、事件の端緒は客からの通報だった。客は「飲食していた女性2人が立ち去ってしまった」「飲食代金で10万円を請求され、店ともめている」と警察に連絡したという。店では、女性従業員が一般人を装って酒の提供などの接待をしていたとされる。
その後、警察は2026年1月に店を運営していた誠友会の組員らを逮捕(STVは「構成員らはすでに検挙」と報道)。続く捜査で、組の幹部である関谷容疑者の関与が明らかになったとして、今回の逮捕に至った。通報が寄せられた2024年夏から、幹部の逮捕まで約2年2か月を要したことになる。
容疑者の供述と警察の見方
報道された関谷容疑者の言い分と警察の見立ては次のとおり。
- 供述:「私の子分たちがやったことですので、私にも責任があることがわかっています」(STV報道)
- 認否:HBCによると、無許可営業と少女を雇用した容疑については否認している
- 警察の見方:店の売り上げが暴力団の資金源になっていたとみて、詳しく調べている
「責任がある」と述べながら、容疑の核心である無許可営業と少女の雇用は否認しているという構図で、組員の行為と幹部の関与をどこまで結びつけられるかが今後の捜査の焦点になるとみられる。
背景:「接待」を伴う店と暴力団の資金源
風営法は、客の接待を伴う飲食店(キャバクラやスナック、パブなど)を「風俗営業」と位置づけ、営業には公安委員会の許可を求めている。許可制の目的のひとつは、暴力団員など欠格事由のある者を営業から排除することにある。暴力団関係者が許可を取ること自体が難しいため、無許可のまま営業したり、第三者を名義人に立てたりする手口が各地で摘発されてきた。
また、風営法は18歳未満の者に客の接待をさせることを禁じており、許可の有無とは別に処罰の対象となる。今回の事件で報じられた要素を整理すると、次の3点が重なっている。
- 無許可営業:許可を受けずに接待を伴う営業をしていた疑い
- 年少者の接待:18歳未満の少女に客の接待をさせた疑い
- 不透明な料金トラブル:女性が一般人を装って接待し、客が10万円の請求をめぐって店ともめていた(通報内容による)
2026年は、福島市で「トクリュウ」とみられるグループが17歳の少女に接待させた疑いで摘発されたほか、仙台・国分町の無許可ガールズバーで18歳未満を働かせた経営者らに実刑判決が出るなど、地方都市の繁華街で未成年に接待をさせる事件が相次いでいる。担い手が暴力団か匿名・流動型の犯罪グループかの違いはあっても、無許可の店を資金源にし、立場の弱い未成年を働かせるという構図は共通している。
ススキノは北日本最大級の歓楽街として知られる。今回の店の売り上げがどの程度組織に流れていたのか、また少女がどのような経緯で店に入ったのかについては、現時点で報じられていない。関谷容疑者は逮捕段階であり、有罪が確定したわけではない。
本記事はSTVニュース北海道、HBCニュース北海道(Yahoo!ニュース掲載)の報道をもとに構成しています。