風俗ニュース

悪質ホスト被害の相談窓口、専門学生がPR動画で周知 大阪府警が「HAL大阪」の学生に感謝状

大阪府警は、悪質なホストクラブなどの被害に悩む女性向け相談窓口を紹介するPR動画を制作した専門学校「HAL大阪」の学生らに感謝状を贈った。関西テレビとMBSが2026年9月25日に報じた。動画は、少額と説明された料金が高額請求に変わる金銭トラブルなどを描いた2本で、府警の公式サイトや梅田の屋外広告などで公開されている。府警は2026年4月にウェブ上の相談窓口を設けており、摘発と並行して「被害者を窓口につなぐ」取り組みを強めている。

悪質ホスト被害の相談窓口、専門学生がPR動画で周知 大阪府警が「HAL大阪」の学生に感謝状

感謝状贈呈の経緯

悪質なホストクラブによる被害に悩む女性向けの相談窓口を広く知ってもらおうと、専門学校の学生が制作したPR動画について、大阪府警が制作に携わった学生らに感謝状を贈った。関西テレビとMBSニュースが2026年9月25日に報じ、NHKも同様に伝えている。

感謝状を受けたのは、専門学校「HAL大阪」の学生たち。関西テレビは「学生15人」、MBSは「学生15人と教員1人」と報じている。

府警は2026年4月、悪質なホストクラブなどによる被害に悩む女性からの相談をウェブサイト上で受け付ける窓口を設置した。MBSによると、府警はこの窓口の周知を促すためにHAL大阪へ動画制作を依頼し、学生らが2本の動画を仕上げた。

動画の内容

MBSの報道によると、制作された動画は次の2本だ。

動画 描かれている内容(MBS報道)
1本目 ホストクラブを利用した女性が、最初は料金を少額だと説明されていたのに、最終的に高額な料金を請求され、金銭トラブルになる
2本目 悪質なホストから高額な支払いを迫るメッセージが届き、女性が困り果てる

どちらも、被害の「入口」と「追い込み」の場面を切り取った構成になっている。料金の説明と実際の請求が食い違うこと、支払いを迫るメッセージが届くことは、いずれも相談窓口が想定している典型的な被害の形だ。

動画の公開先について、関西テレビは「大阪府警のWEBサイトや梅田の屋外広告」、MBSは「府警の公式YouTube」と「大阪市内の繁華街での放映」を挙げている。

制作に関わった山中心琴さん(20)は関西テレビの取材に、「本当に被害にあっている人を身近に感じられたので、そういう人に届けられる映像が作れたらなと思って」と話した。

府警の相談窓口の中身

大阪府警のウェブサイトに掲載されている「悪質ホストクラブ等に関する女性被害相談窓口」は、対象を次のように示している。

  • 「ホストクラブ」やいわゆる「メンズコンセプトカフェ」などで
  • 売掛金・立替金などの多額の借金を背負い
  • 威圧的に返済を迫られたり、売春や性風俗店で働くよう言われたりして困っている女性

相談は専用のオンラインフォームから受け付けるほか、最寄りの警察署でもできる。ページには、消費者ホットライン(188)、法テラス、性暴力ワンストップ支援センター(#8891)、女性相談支援センター(#8778)といった外部の相談先も併記されている。

ホストクラブだけでなく「メンズコンセプトカフェ」を明記している点は注目に値する。業態の名前を変えても、同じ手口であれば相談の対象になることを示している。

大阪で問題になっている手口

関西テレビは、大阪では悪質なホストクラブが高額な売掛金、いわゆる「ツケ」を支払わせる目的で、女性客を風俗店などにあっせんする違法行為が問題になっていると伝えている。

流れを整理すると、おおむね次のようになる。

  1. 来店時は安い料金を提示し、通う習慣をつくる
  2. 好意や競争心を利用して高額の注文を重ねさせ、売掛金が膨らむ
  3. 返済できない女性に、支払いを迫るメッセージや言動で圧力をかける
  4. 返済の手段として、性風俗店での勤務や売春を持ちかける

今回の2本の動画は、このうち1〜3の段階を描いたものといえる。4の段階に入る前に窓口へつなぐことが、動画の狙いと読み取れる。

当サイトでは8月、大阪・ミナミの現役ホストらが売掛金の禁止を求める署名活動を始めた件も取り上げた。東京・歌舞伎町では主要店が売掛を自主的に廃止したが、大阪には売掛を規制する条例がない。業界の内側と警察の双方から、売掛金の問題に手が打たれ始めている。

背景:法規制と「つなぐ」仕組み

悪質ホスト問題への法規制は、ここ1年あまりで大きく変わった。2025年6月28日に施行された改正風営法は、次のような行為を禁止・処分の対象にした。

  • 料金の支払いについて客に不安を覚えさせるような言動
  • 売掛金の返済などを理由に、売春や性風俗店での勤務を要求すること
  • 料金についての虚偽の説明
  • 客の恋愛感情などにつけ込んだ営業
  • 客に無断での注文

さらに政府は2026年9月15日に「人身取引対策行動計画2026」の原案をまとめ、悪質ホストクラブへの対策強化を新たに盛り込んでいる。

ただ、法律で禁止しても、被害者が声を上げなければ摘発には結びつかない。売掛金を抱えた女性は「自分が借りたお金だ」と考えて相談をためらいやすく、ホストへの好意が残っていればなおさらだ。そこで、ウェブ上で気軽に使える相談フォームを用意し、被害者と同世代の学生が作った映像で繁華街やSNS世代に届ける、というのが府警の狙いとみられる。

動画がどれだけの相談につながるかは、今後の相談件数などで見えてくるだろう。規制・摘発・相談の3つがそろって初めて、売掛金から性風俗への「出口のない流れ」を断ち切る仕組みになる。


大阪府警の相談窓口:大阪府警察ウェブサイト「悪質ホストクラブ等に関する女性被害相談窓口」から相談フォームを利用できる。

本記事は関西テレビ、MBSニュース、NHKの報道、および大阪府警察ウェブサイトの公開情報をもとに構成しています。