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東大院汚職、元教授が初公判で収賄を認める ソープランドや高級クラブで28回・約183万円の接待、懲役2年求刑

東京大学大学院の共同研究をめぐる汚職事件で、収賄罪に問われた元教授の佐藤伸一被告(63)の初公判が2026年9月25日、東京地裁で開かれ、被告は起訴内容を認めた。起訴状によると、2023年3月〜2024年8月、共同研究の相手方だった一般社団法人「日本化粧品協会」の元代表理事から、ソープランドや高級クラブで計28回、約183万円相当の接待を受けたとされる。検察側は懲役2年と追徴金約183万円を求刑し、弁護側は執行猶予付き判決を求めた。判決は10月22日に言い渡される予定。

東大院汚職、元教授が初公判で収賄を認める ソープランドや高級クラブで28回・約183万円の接待、懲役2年求刑

初公判の経緯

東京大学大学院医学系研究科の共同研究をめぐる汚職事件で、収賄罪に問われた元教授の佐藤伸一被告(63)の初公判が、2026年9月25日、東京地裁で開かれた。読売新聞、日本テレビ系(NNN)、TBS系(JNN)、時事通信、共同通信などが同日報じた。

罪状認否で佐藤被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は懲役2年と追徴金約183万円を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて結審した。判決は10月22日に言い渡される予定である。

国立大学法人の教員は、法律上「みなし公務員」として扱われる。そのため、職務に関して利益を受け取れば、一般の公務員と同じく収賄罪の対象となる。

起訴内容――共同研究の見返りに28回の接待

起訴状などによると、佐藤被告は2023年3月から2024年8月にかけて、一般社団法人「日本化粧品協会」との共同研究の内容の選定や実施で便宜を図った見返りに、同協会の元代表理事から接待を受けたとされる。

  • 接待の回数:計28回
  • 接待の場所:高級クラブ、ソープランドなど
  • 接待の総額:約183万円相当
  • 内訳(日本テレビ系の報道):高級クラブが22回(1回8万円程度)、ソープランドが6回

共同研究の舞台となったのは、東大が同協会と設けていた「臨床カンナビノイド学社会連携講座」である。大麻由来成分カンナビジオール(CBD)などを扱う講座で、東京大学新聞によると、この講座はすでに2025年3月末で廃止されている。

法廷でのやりとり

報道によると、検察側は論告で「欲望に目がくらみ、賄賂を継続的に収受していたばかりか、繰り返し要求していた」と指摘し、「職務の公正さに対する社会の信頼が大きく損なわれた」と述べた。

一方、佐藤被告は被告人質問で、接待を「強要したことはない」と否定した。そのうえで、接待を受けたこと自体については「立場を考えずに不適切で恥ずべき行為だった」「理屈をつけて自分を正当化していた」と述べ、「公務への信頼を傷つけた。深く反省する」と謝罪した。日本テレビ系の報道によると、被告は日本赤十字社に200万円を寄付したことも明らかにしたという。

検察側の「繰り返し要求していた」という主張と、被告側の「強要はしていない」という説明には食い違いがある。量刑でこの点がどう評価されるかは、10月22日の判決で示されることになる。

事件の経過

報道をもとに、事件の流れを整理すると次のとおりである。

時期 出来事
2023年3月〜2024年8月 起訴状が示す接待の期間(計28回・約183万円相当)
2025年3月末 臨床カンナビノイド学社会連携講座が廃止
2025年5月 日本化粧品協会が東大と佐藤教授らを相手に約4200万円の損害賠償を求めて提訴(東京大学新聞)
2026年1月24日 警視庁捜査2課が佐藤教授(当時62)を収賄容疑で逮捕
2026年9月25日 東京地裁で初公判、起訴内容を認める。懲役2年求刑
2026年10月22日 判決予定

贈賄側の日本化粧品協会の元代表理事(53)については、読売新聞によると、すでに贈賄罪で有罪判決が確定している。また、同じ事件に関わったとされる元特任准教授(47)も、懲役1年・執行猶予2年、追徴金約196万円の有罪判決が確定していると同紙は伝えている。

逮捕を受けて東大の藤井輝夫総長は、教員の逮捕が相次いだことについて「痛恨の極みであり、言語道断で、遺憾である」とのコメントを出し、再発防止に「不退転の覚悟」で取り組むとしていた。

背景――「接待の場」としての性風俗

この事件は大学の研究倫理の問題であると同時に、性風俗店が利益供与の手段として使われたという点で、業界の側から見ても注目すべき事例である。

贈収賄の立件では、金銭のやりとりに限らず、飲食やゴルフ、旅行など「人の需要・欲望を満たす一切の利益」が賄賂にあたるとされてきた。高級クラブやソープランドでの遊興費を相手方が負担することも、その典型的な形の一つである。今回の起訴内容では、28回のうち約8割が高級クラブ、残りがソープランドとされ、「接待の場」として夜の店が繰り返し使われていたことがうかがえる。

性風俗店の側から見れば、こうした接待は通常の客としての利用と区別がつかない。支払いが誰の負担かを店が確認する仕組みはなく、法的な責任が問われるのは、あくまで便宜を図った側と利益を提供した側である。一方で、事件が報じられるたびに「ソープランド接待」という言葉が見出しに立ち、業界の名前が汚職の象徴として語られる構図は変わらない。

また、今回の事件は産学連携のあり方にも問いを投げかけている。企業や団体が資金を出して大学に講座を設ける「社会連携講座」は、研究資金の確保に欠かせない仕組みとして広がってきたが、スポンサーと担当教員の距離が近くなりすぎれば、今回のような癒着が生まれる余地がある。東京大学新聞によると、東大は2026年1月、教職員の倫理規範を新たに制定するなど対策を打ち出している。

量刑の面では、検察側の求刑は懲役2年で、弁護側は執行猶予を求めている。被告が起訴内容を認め、寄付をしていることなどが判決でどう考慮されるのか、10月22日の判決が注目される。


本記事は読売新聞、日本テレビ系(NNN)、TBS系(JNN)、時事通信、共同通信、東京大学新聞などの報道をもとに構成しています。