風俗ニュース

禁止地域の「個室マッサージ店」摘発相次ぐ 浅草橋で経営者逮捕、品川では4人逮捕

営業が禁止された地域で店舗型性風俗店を営んだとして、警視庁が個室マッサージ店の経営者らを相次いで摘発した。蔵前署は6月8日までに浅草橋の店の経営者を、大崎署は6月4日までに品川区東五反田の店の経営者ら4人を、いずれも風営法違反(禁止地域内営業)の疑いで逮捕した。看板を出さない「個室マッサージ」を装った違法営業に、警察が取り締まりを強める実態が浮かんだ。

禁止地域の「個室マッサージ店」摘発相次ぐ 浅草橋で経営者逮捕、品川では4人逮捕

浅草橋の店、経営者を逮捕

警視庁蔵前署は2026年6月8日までに、店舗型性風俗店の営業が禁止されている地域で違法に営業したとして、風営法違反(禁止地域内営業)の疑いで、個室マッサージ店「リラクゼーションAINSEL」の経営者・脇野健一容疑者(50)を逮捕した。産経新聞などが報じた。

逮捕容疑は2026年5月19日、店舗型性風俗店の営業が認められていないJR浅草橋駅近くのビルの個室で、男性客に対し女性従業員に性的なサービスを提供させる営業をした、というもの。脇野容疑者は容疑を認めているという。

店には30代と40代のタイ国籍の女性従業員2人が勤務し、2026年5月1日から19日までの約3週間で約124万円を売り上げていたとされる。店は平成30年(2018年)ごろから営業していたとみられ、捜査が進められている。

浅草橋の事案の要点

  • 逮捕したのは:警視庁蔵前署
  • 容疑者:個室マッサージ店経営者・脇野健一容疑者(50)
  • 店名:「リラクゼーションAINSEL」
  • 容疑:風営法違反(禁止地域内営業)
  • 逮捕容疑の日付:2026年5月19日
  • 従業員:タイ国籍の女性2人(30代・40代)
  • 売上:5月1〜19日で約124万円
  • 営業開始:2018年ごろ
  • 認否:容疑を認めている

品川区東五反田でも4人逮捕

これに先立つ2026年6月4日までには、警視庁大崎署が、品川区東五反田で同じく店舗型性風俗店の営業が禁止された地域で違法営業をしたとして、風営法違反の疑いで個室マッサージ店「微笑美女」の経営者ら4人を逮捕している。TBS NEWS DIG、テレビ朝日系(ANN)などが報じた。

報道によると、逮捕されたのは経営者の宮崎幸三容疑者(58)や責任者の左川洋二容疑者(66)ら。店は看板を出さず、場所を変えながら営業を続けていたとされ、おととし(2024年)7月ごろからの売り上げは約1億8000万円に上るとみられている。調べに対し、宮崎容疑者は容疑を否認し、左川容疑者は容疑を認めているという。

品川の事案の要点

  • 逮捕したのは:警視庁大崎署
  • 容疑者:経営者・宮崎幸三容疑者(58)、責任者・左川洋二容疑者(66)ら4人
  • 店名:「微笑美女」
  • 容疑:風営法違反(禁止地域内営業の疑い)
  • 営業形態:看板を出さず場所を変えて営業
  • 売上:2024年7月ごろから約1億8000万円
  • 認否:宮崎容疑者は否認、左川容疑者は認める

「個室マッサージ」を装う共通の手口

2つの事案に共通するのは、表向きは「個室マッサージ」「リラクゼーション」といった名目を掲げながら、実態として性的なサービスを提供していた点だ。店舗型の性風俗店は、風営法と各都道府県の条例によって営業できる地域が厳しく制限されており、学校や住宅地の近くなど「禁止地域」での営業は無許可かどうかにかかわらず違法となる。

マッサージ店やエステ店の体裁をとることで規制の網をかいくぐろうとする店は後を絶たず、看板を出さない、客を会員制にする、頻繁に場所を移すといった手口で摘発を逃れようとする例が目立つ。今回の2件はいずれも、こうした「装い」の営業に警察が踏み込んだ事案といえる。

外国人従業員と取り締まりの実情

浅草橋の事案では、従業員がいずれもタイ国籍だった点も報じられている。性風俗産業では在留資格や就労環境の面で立場の弱い外国人女性が働き手となるケースがあり、摘発の際には経営側の責任とともに、従業員が置かれた状況にも目が向けられる。一方で、今回いずれの事案でも、現時点で報じられているのは経営・運営側の立件であり、利用客についての立件は伝えられていない。

背景:改正風営法と店舗型性風俗への圧力

今回の相次ぐ摘発は、性風俗産業をめぐる規制強化の流れの中に位置づけられる。

禁止地域営業の規制とは

風営法は、店舗型性風俗特殊営業について、政令や都道府県条例で定める地域での営業を禁じている。住宅地や学校・病院の周辺などが対象で、これらの「禁止地域」で店舗を構えて営業すること自体が処罰の対象となる。許可の有無を問わず違法となるため、無届けで隠れて営業する店の摘発理由として用いられることが多い。

罰則強化の流れ

2025年6月28日に施行された改正風営法では、悪質ホストクラブ対策やスカウトバック禁止などとあわせて、無許可営業や禁止地域営業に対する罰則が大幅に引き上げられた。個人に対する罰則は「2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金」から「5年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金」へと強化されており、店舗型の違法営業に対する司法・行政の姿勢は厳しさを増している。なお、各事案にどの罰則規定が適用されるかは容疑となる行為の時期によって異なり、最終的な処分は今後の捜査・司法判断を待つことになる。

取り締まりが続く構図

「個室マッサージ」を名目とした違法営業の摘発は近年各地で続いており、年間売上が1億円を超える店が摘発される例も珍しくない。需要がある限り新たな店が生まれ、警察がそれを追う――今回の浅草橋・品川の2件は、その「いたちごっこ」の現在地を映す事案でもある。


本記事は2026年6月8日付の産経新聞、6月4日付のTBS NEWS DIG・テレビ朝日系(ANN)等の報道をもとに構成しています。固有の人物・金額・地名などは報道に基づくものであり、容疑はいずれも捜査段階のものです。