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松山のキャバクラに女性3人を無許可であっせん 職業安定法違反容疑で20代の男2人逮捕 紹介料は多い月で約300万円

愛媛県警松山東署は2026年8月27日、国の許可を受けずに有料で女性を松山市内のキャバクラに紹介したとして、職業安定法違反の疑いで松山市錦町に住む20代の男2人を逮捕した。逮捕されたのは飲食店従業員の男(25)と飲食店経営の男(26)で、2025年8月26日ごろから2026年6月26日ごろにかけ、SNSなどを使って女性3人を店の経営者に有料で紹介した疑いが持たれている。警察によると紹介料は契約内容により多い月で約300万円に上ったという。25歳の男は8月6日に松山市内での違法なスカウトの疑いで逮捕されており、その関連捜査から2人の容疑が浮上した。

松山のキャバクラに女性3人を無許可であっせん 職業安定法違反容疑で20代の男2人逮捕 紹介料は多い月で約300万円

8月27日、松山東署が2人を逮捕

愛媛県警松山東署は2026年8月27日、職業安定法違反の疑いで、いずれも松山市錦町に住む飲食店従業員の男(25)と飲食店経営の男(26)の2人を逮捕した。テレビ愛媛が同日、愛媛新聞オンラインが同日付の記事「無許可でキャバクラ雇用をあっせんした疑い 松山東署が男2人逮捕」でそれぞれ報じている。

逮捕容疑は、国の許可を受けないまま、有料で女性をキャバクラの経営者に紹介したというもの。テレビ愛媛によると、2人は松山市内や周辺で2025年8月26日ごろから2026年6月26日ごろまでの間、スマートフォンのSNSを使うなどして、松山市内の繁華街にあるキャバクラで働く女性3人を、店の経営者に有料で紹介した疑いが持たれている。

紹介料は契約の内容によって異なり、警察の調べでは多い月で約300万円の収入があったとされる。2人の認否は明らかにされていない。警察は余罪についても調べている。

いずれも捜査段階の容疑であり、事実関係は今後の捜査と司法手続きによって確定される。

端緒は8月6日の「違法スカウト」摘発

今回の逮捕は単発の摘発ではない。テレビ愛媛によれば、警察は逮捕された25歳の男を、松山市内で違法なスカウトをした疑いで8月6日にすでに逮捕しており、その関連捜査のなかで2人の職業安定法違反容疑が浮上したという。

つまり、街頭やSNSでの勧誘行為を入口として捜査が始まり、そこから「誰が、どの店に、いくらで女性を送り込んでいたか」という送客の経済構造にさかのぼった形である。8月6日の逮捕容疑の具体的な罪名は報道からは確認できないが、愛媛県では県迷惑行為防止条例8条が、性的好奇心をそそる役務などに従事させる目的での勧誘(スカウト行為)を禁じており、違反には50万円以下の罰金または拘留・科料、常習の場合は6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められている。同条例は2025年3月に改正され、同年6月1日に施行されている。

なぜ「女性を店に紹介する」ことが犯罪になるのか

一般には分かりにくいが、人を職場に紹介して手数料を取る行為は、それ自体が法律の規制対象である。

職業安定法30条1項は、有料の職業紹介事業を行おうとする者に厚生労働大臣の許可を義務づけている。許可を受けずに有料職業紹介事業を営んだ場合、同法64条により1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される。

許可制が置かれているのは、単なる手続きの問題ではない。許可事業者には、取扱職種の範囲の明示、手数料の届出と上限規制、求職者への労働条件の明示、個人情報の適正管理といった義務が課される。無許可の紹介では、これらのチェックがまったく働かない。誰がいくら抜いているのか、紹介された側が知らされないまま働き始める構造が生まれる。

今回の事件で報じられている「契約の内容により、多い月で約300万円」という紹介料は、その不透明さを象徴する数字でもある。紹介料が高額になるほど、その原資は最終的に紹介された女性の売上から回収される可能性が高くなる。

性風俗への紹介は、さらに重い罪になる

同じ「紹介」でも、送り先が性風俗店の場合は適用条文が変わる。

職業安定法63条2号は、公衆衛生または公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で職業紹介や労働者の募集を行った者に、1年以上10年以下の拘禁刑または20万円以上300万円以下の罰金という重い法定刑を定めている。判例上、ソープランドやファッションヘルスといった性風俗の業務は、売春防止法に触れず風営法上の手続きを踏んでいたとしても「公衆道徳上有害な業務」にあたるとされてきた。

近年、全国で摘発が相次いだスカウトグループの多くは、この63条2号で立件されている。2025年に摘発された「アクセス」、2026年に会長が繰り返し逮捕された「ナチュラル」がその代表例で、いずれも性風俗店への女性の送客と巨額の紹介料が問題とされた。

今回の松山の事案は、送り先がキャバクラ(接待飲食等営業)であることから、より軽い64条ルートでの立件とみられる。ただし、罰則の軽重の差はあっても、「無許可の人材あっせんが夜の街の資金の流れを支えている」という構造そのものは共通している。

背景 スカウト摘発は地方の歓楽街へ

スカウトをめぐる摘発は、これまで歌舞伎町をはじめとする大都市の歓楽街の問題として語られてきた。全国46都道府県、約350店舗との取引が指摘された「アクセス」や、東京地裁で公判が続く「ナチュラル」の事件は、いずれも首都圏を軸にした大規模組織の摘発だった。

一方で、送客の仕組み自体は組織の規模を問わない。SNSで女性に接触し、店に引き合わせ、在籍期間や売上に応じて紹介料を受け取る。この形は、少人数でも、地方都市の繁華街でも成立する。今回、地方中核市である松山市の繁華街で、2人の男が約10か月にわたり同種の行為を続けていたとされることは、その裾野の広さを示している。

警察側の取締り手法にも変化がうかがえる。街頭のスカウト行為を迷惑行為防止条例で押さえたうえで、そこから職業安定法違反へと立件を広げる進め方は、行為者個人の摘発にとどめず、店舗と紹介者の間の金銭の流れを可視化しようとするものだ。警視庁がスカウトグループの摘発で、犯罪収益を受け取った店舗側の責任を追及してきた手法とも重なる。

紹介される側の女性にとって、無許可のあっせんは「手数料を誰がいくら負担しているのか分からないまま働き始める」ことを意味する。紹介料が高い店ほど、その分の回収圧力が本人の労働条件に跳ね返る余地がある。許可制と手数料規制は、本来その圧力を可視化するための仕組みである。今回の摘発が余罪の解明にどこまで及ぶかは、その構造にどれだけ踏み込めるかにかかっている。

本記事はテレビ愛媛(2026年8月27日)および愛媛新聞オンライン(同日)の各報道、ならびに職業安定法・愛媛県迷惑行為防止条例の条文をもとに構成しています。