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大手AVメーカーの新作が「児童買春」想起で物議 インドネシア舞台のVR作品が配信停止に

大手アダルトメーカー「SODクリエイト」が2026年5月28日に配信を始めたVR作品が、インドネシア・ジャカルタの売春街を舞台に幼く見える女性を出演させ、紹介文で児童買春を想起させる表現を用いていたとして国内外から批判を浴びた。在インドネシア日本大使館は同国での日本人による児童買春に関し5月13日に注意喚起を出していた直後で、作品は6月上旬までに各配信サイトから削除された。実在する社会問題を娯楽の題材としたことの是非と、海外での児童買春が日本国内でも処罰対象となる法的枠組みが改めて問われている。

大手AVメーカーの新作が「児童買春」想起で物議 インドネシア舞台のVR作品が配信停止に

問題となった作品の概要

大手アダルトメーカーのSODクリエイト(東京都中野区)が2026年5月28日に各アダルト配信サイトで販売を始めたVR(仮想現実)形式の新作が、インターネット上で大きな批判を集め、6月上旬までに配信先から削除された。J-CASTニュース、女性自身、共同通信などが報じた。

報道によると、作品はインドネシアの首都ジャカルタにあるとされる線路沿いの売春街(「線路置屋」)を舞台に、身長147センチと設定された幼く見える女性が出演する内容だった。作品の紹介文には「おそらく(児)童売春。どこからか売られてきたのだろう」「どうやら、仕入れられたばかりらしく、おどおどしている」といった、児童買春や人身取引を想起させる表現が用いられていたとされる。

批判の広がりと配信停止

この内容に対し、X(旧ツイッター)などのSNSでは「実際の社会問題を軽視している」「品性下劣で日本の国益を損なう」「児童との性行為を肯定する内容だ」といった批判が相次いだ。

報道で伝えられている経緯を整理すると、おおむね次の通りである。

  • 2026年5月28日:SODクリエイトがVR作品の配信を開始
  • 6月初旬:SNSを中心に「児童買春を想起させる」と批判が拡大
  • 6月4日昼の時点:女性自身の取材では作品の販売ページが閲覧できない状態に
  • 6月8日まで:各配信サイトおよびX上の関連投稿、公式の配信情報が削除された

女性自身の取材に対し、在インドネシア日本大使館の担当者は作品の存在を把握していないとしたうえで「大変残念なこと」とコメントしたと報じられている。なお、本稿執筆時点でSODクリエイト側の公式な見解は報道では確認できておらず、削除の具体的な理由は明らかになっていない。

大使館の注意喚起という背景

今回の作品が問題視された背景には、配信開始の直前にあたる時期に、インドネシアでの日本人による児童買春が現地で社会問題化していた経緯がある。

共同通信などの報道によると、ジャカルタやその近郊で「18歳未満と認識しながら買春した」ことを誇示するような日本語のSNS投稿が相次いでいるとされ、インドネシア国営アンタラ通信は5月13日、こうした投稿を受けてジャカルタの警察が捜査を進めていると伝えた。同じ5月13日、在インドネシア日本大使館はホームページで「インドネシアにおける児童買春に関する注意喚起」と題する文書を公表した。

注意喚起では、児童買春がインドネシア捜査当局による取り締まり(児童保護法違反や刑法の強姦罪など)の対象となるだけでなく、日本国民による国外犯として日本国内でも処罰の対象となると警告していた。現地で注意喚起が出された直後に、その問題状況を想起させる作品が配信されたという時系列が、批判をいっそう強める一因となった。

海外でも波紋

この作品は東南アジアの周辺国でも話題となった。報道によれば、マレーシアのメディア「チャイナ・プレス」や台湾の「ニュー・トーク」などが取り上げ、こうした作品のリリースが日本の評判を傷つけ、外交問題に発展しかねないと指摘したとされる。実在の国・地域を舞台に設定し、現地で進行中の社会問題を娯楽の素材としたことが、国境を越えて反発を招いた形である。

背景――「フィクション」と実在する被害のあいだ

アダルトビデオは創作物であり、出演者が成人であることや撮影が合法的な環境で行われることは、業界の前提とされる。今回も出演女性が成人であること自体が問題なのではなく、争点は「児童買春」という実在の重大な人権侵害を想起させる設定・表現を、娯楽作品の売り文句として用いた点にある。

日本では2014年の法改正で児童ポルノの単純所持も禁止され、児童買春・児童ポルノ禁止法は海外での行為にも及ぶ国外犯処罰の規定を持つ。近年は東南アジアを渡航先とした日本人による児童買春や、それを誇示するSNS投稿が国際的な批判の的となっており、今回の大使館の注意喚起もその文脈に位置づけられる。

性産業をめぐる表現は、どこまでが許される創作で、どこからが実在の被害を助長・矮小化する行為なのか――その線引きが、プラットフォームの国際化とSNSによる可視化のなかで、改めて問われている。表現の自由と、現に存在する被害者の尊厳をどう両立させるか。今回の一件は、その難しさを業界の内側から突きつける事案となった。

本記事はJ-CASTニュース、女性自身、共同通信(下野新聞デジタル)等の報道をもとに構成しています。固有の事実は各報道に基づくものであり、食い違う点や未確認の点は本文中で留保しています。